ブログにレンタルサーバーとWordPressは必要なかった|このサイトの構成と、無料ホスティングの落とし穴
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この記事には、運営者が実際に構築・運用している経験に基づく記述を含みます(体験)。
ブログの始め方を検索すると、結論はほぼ同じです。レンタルサーバーを契約して、WordPressを入れる。
このサイトは、どちらも使っていません。サーバーも借りていないし、WordPressも入っていません。 それでも記事を公開できていて、あなたは今それを読んでいます。
この記事では、実際の構成と費用、そして無料で運用しようとして踏んだ落とし穴を書きます。
このサイトの構成
| 役割 | 使っているもの | 費用 |
|---|---|---|
| サイトの生成 | Astro(静的サイトジェネレーター) | 無料 |
| 配信 | Cloudflare(静的ホスティング) | 無料 |
| ドメイン | Cloudflare Registrar | ドメイン代のみ |
| 記事の執筆 | Markdown(MDX)のテキストファイル | 無料 |
かかっているのはドメイン代だけです。 サーバー代は発生していません。
仕組みはこうです。記事をテキストファイルで書き、Astroがそれを読んでHTMLファイルを生成します。できたHTMLをCloudflareに置くと、それがそのまま配信されます。アクセスがあるたびにプログラムが動く構造ではありません。
なぜ安いのか
レンタルサーバーが必要なのは、アクセスのたびにサーバー側でプログラムを動かす必要があるときです。WordPressはこの型です。誰かがページを開くたびに、PHPが動いてデータベースを読み、HTMLを組み立てて返します。
このサイトは、HTMLを先に作って置いてあるだけです。読む人が来たらそのファイルを返します。計算もデータベースの読み書きも発生しません。
だから無料枠で足りてしまいます。
なぜ「ブログの始め方」記事はレンタルサーバーを勧めるのか
ここは正直に書きます。紹介料があるからです。
レンタルサーバーはアフィリエイト案件として成立しています。読者が契約すれば、紹介した側に報酬が入ります。月額が継続するので単価も悪くありません。
一方、このサイトの構成を勧めても、紹介料は1円も発生しません。 Cloudflareの無料枠にアフィリエイトプログラムはありません。Astroはオープンソースです。
この記事を書いても、私には何も入りません。 だから他の人も書きません。それだけの話です。
この記事に広告リンクは1本もありません。 貼れるものが存在しないからです。
PHPの脆弱性の件
2026年10月20日、PHPに重大な脆弱性が2件公表されました。通称 php2shell(CVE-2026-109618 / CVE-2026-109619)です。
- 深刻度は公式発表で CVSS v4.0 で 9.2
- リモートでコードを実行される種類で、サーバー乗っ取りの恐れ
- PHP 5以降の環境に影響する可能性があると注意喚起されています
- 修正版は10月21日に公開されました
WordPressはPHPで動いています。 そして重要な点として、WordPress本体やプラグインを更新しても解消しません。 PHP本体の問題なので、PHPのバージョンを上げる必要があります。
複数の事業者が緊急メンテナンスを実施しました。
このサイトでは何も起きませんでした
PHPを1行も使っていないので、対象外でした。 作業は発生していません。
誤解のないように書きますが、これは「静的サイトは安全」という話ではありません。 静的サイトにもリスクはあります(ホスティング事業者側の障害、ドメインの乗っ取り、第三者スクリプトの混入など)。
正確に言えば、動かしているプログラムが少ないほど、脆弱性が出てくる場所が少ないということです。PHPを使っていなければ、PHPの脆弱性の影響は受けません。それだけです。
ここからが本題:無料ホスティングの落とし穴
「無料でブログが作れる」という記事は、ここを書きません。実際に踏んだので書きます。
このサイトは、最初は別のホスティング(Vercel)の無料プランで動いていました。表示も速く、デプロイも簡単で、何も問題がないように見えていました。
公正利用ガイドラインを読んで、規約違反になることが分かりました。
Hobby teams are restricted to non-commercial personal use only. All commercial usage of the platform requires either a Pro or Enterprise plan.
無料プラン(Hobby)は非商用の個人利用のみです。そして商用利用の定義に、次が明示的に列挙されています。
- アフィリエイトリンクがサイトの主目的であること
- 広告の掲載(Google AdSenseなどを含む)
このサイトはアフィリエイトサイトです。 つまり、広告リンクを貼った時点で規約違反になります。違反するとアカウントやデプロイが停止されます。記事が全部止まります。
対処したこと
選択肢は2つでした。
- 有料プランに上げる(月$20)— 確実ですが、収益0円の段階で月約3,000円の固定費
- 商用利用を禁止していないホスティングに移す
2を選び、Cloudflareに移行しました。 Cloudflareの無料プランのドキュメントには、商用利用を禁止する記載がありません。制限はビルド回数(月500回)やファイル数(20,000)などで、個人ブログの規模では当たりません。
移行作業そのものは、半日かかりませんでした。生成されるHTMLは同じなので、置き場所を変えるだけです。
ここから学べること
無料プランを使うなら、規約の「商用利用」の定義を読んでください。 収益化するつもりなら、ほぼ確実に該当します。
「無料で使えます」と書いている記事は、この条件に触れていないことが多いです。無料なのは事実ですが、無料で何をしてよいかは別に書かれています。
レンタルサーバーには、少なくともこの問題はありません。有料なので、商用利用が前提です。
WordPressのほうが向くケース
公平に書きます。この構成が全員に向くわけではありません。
この構成が向かない人
- コマンドを打つのが苦手な人 — 記事を公開するには、ビルドコマンドを実行してファイルをアップロードする必要があります。管理画面はありません
- 複数人で運用する人 — WordPressには権限管理や編集画面があります。この構成にはありません
- プラグインで機能を増やしたい人 — 問い合わせフォーム、会員機能、検索などを追加する仕組みが整っているのはWordPressです
- ブラウザだけで完結させたい人 — このサイトはPCのフォルダで記事を管理しています
正直に書くと、このサイトのデプロイは今も手作業です。 記事を追加したらビルドして、フォルダをアップロードしています。自動化はできますが、まだやっていません。WordPressなら管理画面で「公開」を押すだけです。
この構成が向く人
- 一人で書く人
- 固定費を増やしたくない人
- テキストファイルで書くのが苦でない人
- 表示速度を優先したい人
実際にかかっている費用
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| ドメイン | ドメイン代のみ |
| ホスティング | 0円 |
| サイト生成 | 0円 |
| 合計 | ドメイン代だけ |
Cloudflare Registrarは、価格を原価で提供しています。公式ページには “at cost, without markup fees”(上乗せなし)とあり、支払うのはレジストリとICANNに支払われる分のみ、更新も “will only renew at the list price set by the registry”(レジストリの定価でのみ更新)と書かれています。
具体的な金額は変動するので、契約前に公式ページで確認してください。 この記事では金額を書きません。
よくある構成(レンタルサーバー月1,000円前後+ドメイン)と比べると、サーバー代の分が丸ごと消えます。 年間で1万円前後の差になります。
まとめ
- ブログを始めるのに、レンタルサーバーとWordPressは必須ではない。 このサイトはどちらも使っていない
- かかっているのはドメイン代だけ。サーバー代は0円
- 安いのは、アクセスのたびにプログラムを動かす構造ではないから
- 「ブログの始め方」記事がレンタルサーバーを勧めるのは、紹介料があるから。この構成を勧めても紹介料は発生しない
- PHPの脆弱性(php2shell、CVSS 9.2)の影響は受けなかった。 PHPを使っていないため。ただし「静的サイトは安全」という話ではない
- 無料ホスティングには商用利用の制限がある場合がある。 実際にVercelの無料プランでは規約違反になり、Cloudflareに移行した
- 収益化するなら、規約の「商用利用」の定義を必ず読む
- WordPressのほうが向くケースもある。コマンドを打ちたくない人、複数人で運用する人、プラグインで機能を増やしたい人には不向き
出典・注記
- このサイトの構成と移行は、運営者が実際に行ったものです。構成は読者が実物で確認できます(このページがその結果です)
- Vercelの規約はFair Use Guidelines、Cloudflareの制限はPages Limits、ドメインの価格方針はCloudflare Registrarで、2026年10月22日に確認しました
- PHPの脆弱性は、修正版公開時点の公表内容に基づいています。対応状況は変わるため、PHPを使っている場合は公式の告知を確認してください
- ドメインの具体的な金額は書いていません。 変動するためです
- レンタルサーバーを契約した経験はないので、レンタルサーバーとの実使用比較はしていません。向き不向きは機能の違いとして書いています
- 各サービスの規約は変わります。この記事の内容は2026年10月22日時点の確認結果です