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そのインターンシップは採用に使われるのか|三省合意の4類型と、募集要項での見分け方

公開

「インターンシップ」と書かれた募集は大量にあります。1日だけのもの、説明会に近いもの、2週間以上のもの。全部まとめて「インターン」と呼ばれています。

そして学生が一番知りたいのはここだと思います。これは採用に使われるのか。

文部科学省・厚生労働省・経済産業省が連名で出している文書に、答えが書いてあります。いわゆる三省合意です。全11ページを原典で読みました。

先に結論を書きます。

  • 制度上「インターンシップ」と呼べるのは、4つの類型のうちタイプ3とタイプ4だけです
  • 採用選考に使えるのはタイプ3で、それには5つの要件があります
  • 要件のひとつが「募集要項に書くこと」です。つまり読者が自分で確かめられます
  • 期間は5日以上、専門能力活用型なら2週間以上。長期休暇中に行うことも要件です
  • これは法律ではありません。「基本的考え方」であって、罰則はありません

この記事は制度の整理です。筆者がインターンシップに参加した記録ではありません。

「インターンシップ」と呼べるものは限られている

令和4年6月13日の改正で、考え方が大きく変わりました。原文にこうあります。

「学生のキャリア形成支援に係る産学協働の取組み」が次の四つの類型に整理され、そのうちタイプ3及びタイプ4がインターンシップであるとされた。

四つの類型は、名称だけ挙げるとこうです。

名称 インターンシップか
タイプ1 オープン・カンパニー いいえ
タイプ2 キャリア教育 いいえ
タイプ3 汎用型能力・専門活用型インターンシップ はい
タイプ4 高度専門型インターンシップ(試行) はい

タイプ3・4の定義も原文にあります。

学生がその仕事に就く能力が自らに備わっているかどうか(自らがその仕事で通用するかどうか)を見極めることを目的に、自らの専攻を含む関心分野や将来のキャリアに関連した就業体験(企業の実務を経験すること)を行う活動

「就業体験」が入っていることが条件です。

なお、タイプ1とタイプ2の詳細は書きません。 詳しい表は文書の別紙1にありますが、PDFでは画像になっていて、文字として読み取れませんでした。 読めなかったものを推測で書くことはしません。

タイプ3の5つの要件

ここが実務の核心です。原文から、そのまま引きます。

(1) 就業体験要件

必ず就業体験を行う。インターンシップ実施期間の半分を超える日数を職場での就業体験に充てる。

(2) 指導要件

就業体験では、職場の社員が学生を指導し、インターンシップ終了後、学生に対しフィードバックを行う。

(3) 実施期間要件

インターンシップの実施期間は、汎用的能力活用型では5日間以上、専門能力活用型では2週間以上。

(4) 実施時期要件

学業との両立に配慮する観点から、大学の正課および博士課程を除き、学部3年・4年ないし修士1年・2年の長期休暇期間(夏休み、冬休み、入試休み・春休み)に実施する。

(5) 情報開示要件

募集要項等に9項目を記載し、HP等で公表することが求められています。

この5つを並べると、見え方が変わります。

1日で終わるものは、期間要件(5日以上)を満たしません。 説明を聞くだけのものは、就業体験要件を満たしません。授業期間中に行うものは、実施時期要件から外れます。

つまり、「1day仕事体験」と書かれたものは、制度上のインターンシップではありません。 行く価値がないという意味ではなく、採用に使われる類型ではないということです。

募集要項を見れば、自分で判断できます

ここがこの記事で一番使える部分だと思います。

情報開示要件の9項目のうち、6番目がこれです。

⑥採用活動開始以降に限り、インターンシップを通じて取得した学生情報を活用する旨(活用内容の記載は任意)

採用に使うなら、募集要項にその旨を書くことになっています。

逆に言えば、募集要項を開いて、この記載があるかどうかを見れば、そのインターンが採用に使われる前提なのかが分かります。

他の8項目も、読者が確認できるものです。

  1. プログラムの趣旨(目的)
  2. 実施時期・期間、場所、募集人数、選抜方法、無給/有給等
  3. 就業体験の内容(受入れ職場に関する情報を含む)
  4. 就業体験を行う際に必要な(求められる)能力
  5. インターンシップにおけるフィードバック
  6. 採用活動開始以降に限り、学生情報を活用する旨
  7. 当該年度のインターンシップ実施計画(時期・回数・規模等)
  8. インターンシップ実施に係る実績概要(過去2〜3年程度)
  9. 採用選考活動等の実績概要

②に「無給/有給」が入っているのも、知っておいていい点だと思います。

いつの情報が、いつ使われるか

取得した学生情報をいつから使えるかも、表で定められています(令和5年度以降の扱い)。

インターンシップの実施時期 基本の扱い 趣旨があらかじめ示された場合
卒業・修了前年次2月末まで(広報活動開始前) 広報活動・採用選考活動に使用できない タイプ3に限り、3月以降は広報活動に、6月以降は採用選考活動に使用できる
前年次3月〜卒業年次5月末 広報活動に使用できる タイプ3に限り、6月以降は採用選考活動に
卒業年次6月以後 使用できる —

夏のインターンで得た評価が、そのまま選考に使われるわけではありません。 使えるのはタイプ3で、しかもあらかじめその趣旨が示されていた場合に限られ、採用選考活動に使えるのは6月以降です。

文書には、釘を刺す一文もあります。

インターンシップと称して就職・採用活動開始時期前に就職・採用活動そのものが行われることにより、産学協働による取組全体に対する信頼性を失わせるようなことにならないよう、関わる者それぞれが留意することが、今後のそれらの取組の推進に当たって重要である。

つまり「インターンの名を借りた選考」は、想定されたうえで、やめてくれと書かれています。

就活のスケジュールとつながっています

別の記事で、内閣官房が毎年出している就活の時期に関する要請を読みました。そこにも、インターンシップの例外が書かれています。

要請の原文では、専門活用型インターンシップ(2週間以上)で春休み以降に実施されるものを通じて高い専門的知識や能力を有すると判断された学生については、6月より前のタイミングから採用選考プロセスに移行できるとされています。

三省合意の「専門能力活用型は2週間以上」と、同じ期間が出てきます。

2つの文書は別々に出ていますが、噛み合っています。 2週間以上のインターンシップは、制度上、他より早く選考に進む入口として位置づけられています。

この文書で分からないこと

  • 法律ではありません。「基本的考え方」であり、違反に対する罰則の定めはこの文書にはありません
  • 個別の企業の募集が要件を満たしているかは、この文書からは分かりません。 募集要項を自分で見るしかありません
  • タイプ1・タイプ2の詳細は、前述のとおり読み取れませんでした
  • この文書は見直されます。 原文に「必要に応じて見直すこととする」とあります

まとめ

  • インターンシップと呼べるのはタイプ3とタイプ4だけ。 原文にそう書いてある
  • 採用に使えるのはタイプ3。5つの要件がある
  • 期間は5日以上、専門能力活用型は2週間以上
  • 長期休暇中に行うことも要件。授業期間中のものは外れる
  • 採用に使うなら募集要項に書くことになっている。 だから自分で確かめられる
  • 夏のインターンの情報が選考に使えるのは6月以降(タイプ3かつ趣旨の事前明示がある場合)
  • 2週間以上の専門活用型は、就活日程の例外とつながっている
  • これは法律ではない。 罰則の定めはない

募集要項を開いて、⑥の記載があるか、期間が5日以上か、長期休暇中かを見る。この3つだけで、だいぶ見分けがつきます。

出典・注記

  • 2026年11月4日に、文部科学省・厚生労働省・経済産業省「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」全11ページを原典で確認しました。本文中の引用はすべて同文書の原文です
  • 同文書は平成9年9月18日に定められ、平成26年4月8日、平成27年12月10日、令和4年6月13日に一部改正されています。本記事が扱うのは令和4年6月13日改正後の内容です
  • 四つの類型の名称、タイプ3・4の定義、タイプ3の5要件(就業体験・指導・実施期間・実施時期・情報開示)、情報開示の9項目、学生情報の取扱いの表は、いずれも同文書の記載によります
  • 学生情報の取扱いの表は、同文書の別紙2のうち「令和5年度以降のインターンシップ」に関するものです。同文書には令和4年度分の表も併記されていますが、本記事では扱っていません
  • タイプ1・タイプ2の詳細は記載していません。 同文書の別紙1に表がありますが、PDF上で画像になっており、文字として読み取れませんでした。 読めなかった内容を推測で補うことはしていません
  • 出典として挙げられている産学協議会の報告書そのものは確認していません。 本記事の内容は三省合意の文書の記載に基づきます
  • 就活日程との関係は、内閣官房「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」の記載によります(2026年10月29日確認)
  • この文書は法律ではありません。「基本的考え方」であり、違反に対する罰則の定めは同文書にはありません
  • この文書は見直される前提で書かれています。 原文に「必要に応じて見直すこととする」とあります。最新の内容は各省のサイトで確認してください
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  • この記事は公開されている政府文書の整理であり、就職活動の助言でも法律相談でもありません。 個別の募集が要件を満たすかどうかは判断していません。相談は、大学のキャリアセンター、都道府県労働局、ハローワークへ
  • 筆者がインターンシップに参加した体験の記録ではありません。 参加した場合は、その旨を記事内に明記します