内定がないまま10月を過ぎた人へ|「卒業後3年は新卒枠」を政府が企業に要請している
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27卒の正式な内定日は2026年10月1日でした。政府の日程ルールで決まっている日です。
それを過ぎて、まだ決まっていない。周りは内定式を終えている。
この記事は、励ますためのものではありません。制度上どうなっているかを、原典で確認して書きます。 感触や体験談ではなく、政府が企業に何を要請しているかという事実だけです。
結論から書きます。「卒業後3年間は新卒枠に応募できるようにすること」を、政府は企業に要請しています。 同じ文書に3か所、別の主体から書かれています。
まず、10月1日が何の日だったか
政府が毎年出している要請文書に、日程ルールが書かれています。
・広報活動開始:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降 ・採用選考活動開始:卒業・修了年度の6月1日以降 ・正式な内定日:卒業・修了年度の10月1日以降
27卒は2027年3月卒業、つまり卒業・修了年度は2026年度です。正式な内定日は2026年10月1日でした。
ただし、これは**「その日より前に正式な内定を出さないでください」という要請**です。「その日までに決めてください」でも、「その日を過ぎたら終わり」でもありません。締切ではありません。
日程ルールそのものについては就活はいつから始まるのかに書きました。ESの提出が「採用選考活動」に含まれないことなど、読み方が変わる部分がいくつかあります。
政府は企業に「通年採用」と「既卒3年」を要請している
同じ文書の本文です。内閣官房・文部科学省・厚生労働省・経済産業省の連名で、経済団体・業界団体の長に宛てられています。
日本人海外留学者や既卒者等については、通年採用も含め様々な採用選考機会を積極的に提供するとともに、特に卒業・修了後少なくとも3年以内の既卒者については、若者雇用促進法に基づく指針も踏まえ、新規卒業・修了予定者の採用枠に応募できるようにし、その機会を広く周知することを要請する。
ここで2つのことが要請されています。
- 通年採用を含む、様々な採用選考機会を提供すること
- 卒業後3年以内の既卒者が、新卒枠に応募できるようにすること
大学側からも同じ要請が出ている
同じPDFには、就職問題懇談会(国公私立の大学・短大・高専の関係団体の代表で構成)が企業に宛てた要請も綴じられています。その(8)がこれです。
(8)卒業・修了後3年以内の既卒者の取扱い 大学等の在学期間中は、学業等に専念し、卒業・修了後に就職活動を行うことを選択する学生など個々の学生の置かれた状況は様々である。 意欲や能力を有する若者に応募の機会を広く提供する観点から、「若者雇用促進法」に基づく指針の趣旨を踏まえつつ、各企業等の実情や採用方針にのっとって、大学等の卒業・修了者が、卒業・修了後少なくとも3年間は新規卒業・修了予定者の採用枠に応募できる募集条件を設定するとともに、通年採用をはじめとした募集機会を積極的に提供するなど、適切な対応に努めていただきたい。
さらに大学等の申合せにも、同じ趣旨の一文があります。
卒業・修了後であっても新卒採用に応募を可能とすることなどを企業等に要請する。
政府・大学の双方から、同じことが企業に要請されています。
ただし「要請」であって、義務ではない
ここを曖昧にすると嘘になるので、はっきり書きます。
これは要請です。法律ではなく、罰則もありません。文面も「要請する」「努めていただきたい」です。
すべての企業が卒業後3年の応募を受け付けているわけではありません。 受け付けていない企業もあります。
言えるのは次のことだけです。
- 国と大学が、企業に対してそう要請している
- 応募を受け付けている企業は、実在する
- 「新卒で決まらなければ終わり」という制度にはなっていない
決まるかどうかは別の話です。それを保証する材料は、この文書にはありません。
根拠になっている法律
「若者雇用促進法に基づく指針」が繰り返し参照されています。正式には次のものです。
青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針(平成27年厚生労働省告示第406号)
要請文書が根拠として挙げているのはこの指針です。企業の採用担当者に「指針にこう書かれている」と言えば通じる種類の文書です。
エージェントを使うなら、先に知っておくこと
この時期になると、就活エージェントの広告が増えます。使うこと自体に問題はありません。ただし、同じ政府文書に、この業態を名指しした記述があります。
学生が、就活エージェント等の名称で職業紹介事業者が提供する職業紹介サービスを活用し、企業から内々定を受けた際、当該就活エージェント等から、他企業への就職活動の終了を迫られる等の事例もみられる。
内々定と引き換えに他社の選考をやめるよう迫られるのは、いわゆるオワハラです。要請本文では**「職業選択の自由を侵害するおそれがある許されない行為」**と書かれています。
追い詰められているときほど、この手の圧力は効きます。 「ここで決めないと後がない」と言われたら、それは政府が問題として把握している型です。
エージェントは職業紹介事業者なので、許可番号・就職者数・就職後6か月以内の離職者数が、厚生労働省のサイトで確認できます。 調べ方は就活エージェントの許可番号を自分で調べる方法にまとめました。
実際に3社使った記録
筆者は28卒で、就活エージェントを3社同時に使っています。初回面談はどこも30分ほどで同じ流れでしたが、紹介された企業の精度には、はっきり差が出ました。 「早く決まったら教えてほしい」という催促も実際に来ます。その記録は就活エージェントを3社同時に使っているに書きました。
他社の選考をやめろという圧力は、3社とも一度もありませんでした。 ただしこれは筆者が経験しなかったというだけで、起きない保証ではありません。
3社のうち1社だけ、紹介料を受け取る関係にあるのでリンクを置いておきます。対象は在学中の27卒・28卒で、すでに卒業している方は対象外です。
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使うかどうかは、催促が来ることを知ったうえで決めてください。この記事は、エージェントを使えば決まると言っているわけではありません。
相談先
要請文書が挙げている窓口です。
ハラスメントへの対応を含め、職業安定機関(ハローワーク)と連携し、学生からの苦情・相談を迅速かつ適切に処理する体制を整備することを要請する
学生側の窓口として書かれているのは都道府県労働局・ハローワークです。「都道府県労働局・ハローワークと大学のキャリアセンター等の窓口は、事例の共有等の連携を行う」ともあります。
どちらも無料で、エージェントのように紹介料で動いてはいません。
まとめ
- 27卒の正式な内定日は2026年10月1日。 ただしこれは「その日より前に内定を出さないで」という要請であって、締切ではない
- 政府は企業に、通年採用を含む様々な採用選考機会の提供を要請している
- 卒業後少なくとも3年間は新卒枠に応募できるようにすることを、政府と大学の双方が企業に要請している
- 根拠は若者雇用促進法に基づく指針(平成27年厚生労働省告示第406号)
- ただし要請であって義務ではない。 受け付けていない企業もある
- エージェントから他社の選考終了を迫られる事例を、政府文書が名指ししている。 追い詰められているときほど効くので、知っておく
- 相談先は都道府県労働局・ハローワークと大学のキャリアセンター
出典・注記
- 引用はすべて「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」(令和8年3月24日、内閣官房内閣審議官・文部科学省高等教育局長・厚生労働省人材開発統括官・経済産業省経済産業政策局長)の原文です。内閣官房の掲載ページにあるPDF全19ページで確認しました(2026年10月25日確認)
- 「(8)卒業・修了後3年以内の既卒者の取扱い」および「卒業・修了後であっても新卒採用に応募を可能とすること」は、同じPDFに綴じられている就職問題懇談会「令和9年度大学、短期大学及び高等専門学校卒業・修了予定者に係る就職について(企業等への要請)」および大学等の申合せによります
- 指針の正式名称は「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針」(平成27年厚生労働省告示第406号)です
- この要請に法的拘束力はありません。 個別の企業が卒業後3年以内の応募を受け付けているかどうかは、その企業の募集要項を確認してください
- この要請は毎年度出し直されます。 28卒以降は内容が変わる可能性が明記されています
- この記事にはキャリセン就活エージェントの広告リンクが含まれます。 筆者が実際に利用しているサービスで、リンク経由で面談が成立すると紹介料を受け取ります。成果の対象は在学中の2027年・2028年卒で、既卒者は対象外です(同社の公式相談申込ページの入力フォームで確認、2026年10月27日)。リンクのない他2社と評価の基準は変えていません
- この記事は公開されている政府文書の整理であり、就職活動の助言でも法律相談でもありません。 個別の相談は、大学のキャリアセンター、都道府県労働局、ハローワークへ
- 筆者が内定を得られないまま10月を過ぎた体験の記録ではありません。 この記事は制度の整理です